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茨城県内企業の中国事業展開に関する取組み

 今回は、茨城県内中小企業の中国での事業展開についての取組みの1例を紹介します。

 2013年11月13日の午後、介護用品機器を開発製造する株式会社工房利匠(常陸大宮市小舟。代表取締役社長 小野田利光。以下「工房利匠」と表記。)の上海市内の老人ホーム(上海銀康老年公寓)訪問に同行しました。

工房利匠が老人ホームを訪問した目的は、

1.工房利匠が製造する介護用ベッド「クリーン3号(※1)」1台を老人ホームに設置し、実際に利用してもらい、使い勝手を確認してもらう。

2.今後、中国で工房利匠の製品に興味を持つ企業が現れた場合に、老人ホームが展示場としての役割を担い、製品の使用方法を説明してもらう。

というものです。

 上海銀康老年公寓は、約400床を有する上海市内の老人ホームで、介護担当責任者など5名が参加し、小野田社長から介護用ベッドの取扱い方法、製品の優位性について約2時間のレクチャーを受けました。

 日本からは、工房利匠の事業パートナーである茨城県内企業と対中国事業のサポートを担当する貿易会社が同行したほか、取引銀行の上海駐在員事務所が同行し、工房利匠をサポートしました。

 老人ホーム訪問を終え、小野田社長は、「排泄物を自動で処理できる当社の介護ベッドは、介護する側の負担を大きく軽減することができ、中国でもニーズがあるはず。今後は、当社の商品に興味を持つ企業が上海市内の老人ホームで使用方法を確認できるようになり、中国国内の事業の足掛かりになることを期待している」と語り、今後の中国市場参入に意欲を示していました。

(※1)「クリーン3号」

  排泄物自動処理装置付き介護ベッド(⇒ http://www.kouboh-risyo.jp/3gou.html )。

 主に、寝たきり状態の要介護者向けのベッドで、ベッド下には排泄物を受ける装置がセットされており、排泄が1回行われると300CCの温水で洗浄し、その後2分間乾燥される。1日10回排泄物を処理できる。