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重要法規解説~科学技術部、財政部、国家税務総局の「ハイテク技術企業認定管理弁法」の改訂について~

 科学技術部、財政部、国家税務総局の連名で配布される「ハイテク企業認定管理弁法」(以下、弁法という)の改訂版は2016年1月1日より施行された。弁法は23条で構成されて、その概要は以下の通りである。

一.背景

 2008年版の《ハイテク企業認定管理弁法》の2008年から2015年末までの実施の間で、全国におけるハイテク企業認定社数は7.9万社に達し、社会経済の発展に役立った。しかし、その2008年版弁法は今日の産業の発展に追い付かず、その認定条件が目下の中小企業への支持力傾斜や行政の簡素化という政策からかけ離れた状況を是正するために、多くの改定内容が盛り込まれた「弁法」の施行はこれからの中小企業にどれほど効果をもたらすか注目されている。

二.主な改訂内容

1.大中型企業の販売収入におけるR&D費用の占める比率3~4%という状況下、中小企業の販売収入におけるR&D費用の占める比率を6%から5%に引き下げることにより、より多くの中小企業にハイテク企業の優遇策を享受させる。

2.R&Dの外注化の傾向に応じ、ハイテク企業に対して、企業当年度職員総数に占める大学専科以上の学歴の技術者の割合が30%以上必要とする要求を解消し、企業当年度職員総数に占めるR&D及びイノベーション活動に関わる技術者の割合が10%を下回らないことと変更する。

3.従来、「3年以内に」自主研究開発、技術譲渡、その他の方法で知的財産権を獲得するか、「5年以上の独占許可の方式」で知的財産権を取得しなければならないという条件を取り消し、主要製品(サービス)の中核技術に対する知的財産権を取得することとし、企業による独自のR&D或いは技術譲渡を奨励し、知的財産権の濫用を回避する。

4.認定の公示期間を15営業日から10営業日まで短縮し、認定管理プロセスを簡素化する。

5.ハイテク分野を中心に重点的にハイテク企業をサポートし、遅れた技術を淘汰し、優遇政策は科学技術革新を牽引する役割を果たす。

三.ハイテク企業の認定のメリット

1.企業の成長のモデルチェンジの促進。企業のイノベーションを奨励し、技術レベルを高める。

2.企業のブランドイメージの向上。経営者の技術革新意識の強さ、市場開拓能力及び管理能力レベルの高さ、企業の成長性を示す。

3.税収減免優遇政策の享受。認定されたハイテク企業は15%の優遇税率を享受する。

4.企業の市場価値の向上。企業による国内外市場への参入に有利、入札の際の重要な条件となる。

5.企業の資本価値の向上。地方政府、業界組織からの優遇政策及び資金援助、ファンドからの投資、銀行からの融資を受けやすい。

四.最近の主要法令

法  律  名  称

施行日

1

科学技術部、財政部、国家税務総局の「ハイテク企業認定管理弁法」の改定配布に関する通知『重要法規解説』をご参照下さい)

2016/01/01

2

国土資源部の「不動産登記暫行条例実施細則」

2016/01/01

3

国務院の「加工貿易創新発展の促進に関する若干意見」

2016/01/04

4

国家税務総局の「輸出税金還付(免除)における事中事後の更なる管理の強化に関連する問題に関する公告」

2016/01/07

5

国務院の「天津など12都市における越境電子商務綜合試験区の設置の同意に関する批復」

2016/01/12

6

国家食品薬品監督総局の「食用農産品市販品質安全監督管理弁法」

2016/03/01

7

国家食品薬品監督総局の「食品薬品苦情検挙管理弁法」

2016/03/01

8

国家発展改革委員会の「省エネ監察弁法」

2016/03/01

9

国家新聞出版ラジオデレビ総局の「新聞出版許可証管理弁法」

2016/03/01

10

交通運輸部の「道路運輸車両技術管理規定」

2016/03/01

11

文化部の「芸術品経営管理弁法」

2016/03/15

12

公安部の「自動車運転免許証申請取得及び使用規定」の改定に関する決定

2016/04/01

13

工業情報化部、国家発展改革委員会、科学技術部などの「電器電子産品有害物質使用制限管理弁法」

2016/07/01

 

※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。