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社内規則を柔軟に運用しよう

一、事実経緯

 陸氏は、上海のある不動産会社の社員であり、2020年1月6日、父の病気のため、その主管に2020年1月6日から1月13日までの休暇届を提出し、故郷に帰った。翌日、陸氏は会社の休暇の許可を得られず、帰途中で父の死を知り、再び家に帰って葬式を済ませた後、1月14日、上海に戻り、翌日から出勤した。

 2020年1月31日、会社は陸氏に「会社勤務評定管理細則」により、2020年1月5日に会社に出した1月6日から1月13日までの私用休暇を3日間以上連続して申請する場合、グループ会社に報告し承認する必要があるが、貴方が承認を得ず、1月6日から無断で帰郷、1月15日に職場に戻り、会社の勤務管理規定によって、欠勤と見なし、3日間の忌引休暇を差し引いても、欠勤日数は累計三日間以上(三日間を含む)の基準に達しており、会社の規則制度に著しく違反したため、労働契約関係を解除し、会社での最後の勤務日は1月30日まで、双方の労働関係は1月31日から解除されるという「労働契約解除通知書」を渡した。

 

二、裁決

 2020年3月27日、陸雲生は労働仲裁を申立て、会社に違法な労働契約解除による賠償金104,069.06元を支払うよう要求した。仲裁委員会は審理の上、会社が違法解約賠償金75,269.04元を支払うことを裁決した。

 

三、一審判決

 会社は不服で、裁判所に起訴した。

 一審裁判所は、本案における陸氏は2020年1月7日に父の死で帰郷、1月12日に父の火葬を行った村会より発行された証明書を会社に提出したと主張するが、会社が認めない反対の証拠はなく、本所はその証明書を認め、陸氏の1月6日から1月13日までの私用休暇は1月7日以降に性質が変化し、私用休暇と忌引休暇の並存に転化し、三日間の忌引休暇を差し引いて、陸氏は実際に二日間だけ私用休暇を取った。陸氏の実家は安徽省にあり、帰途のため二日間の私用休暇は合理的な範囲にある状況下、会社が許可しないことは明らかに人情を尽さないで、私事休暇制度の目的に背くことである。

 1月14日、陸氏は休暇期間を過ぎて出勤しなかったため、欠勤と認定することができるが、会社は私用休暇が許可されない2日間と1月14日の欠勤で合計3日間を理由に労働契約を解除したことは事実経緯を無視し、機械的に「規則制度」を適用し、労働者の管理を厳しくしすぎたのは、明らかに不当である。

 また、陸氏は父が危篤であるため、1月6日朝に私用休暇申請を提出した。会社の主管と直属上司はその署名した休暇申請書を当日の午後を過ぎてから、グループ会社に提出した。陸氏は翌日になってからその私用休暇申請が通らなかったことを知らされため、1月6日の欠勤は会社が速やかに審査しなかった故により、無断欠勤と認定すべきではない。陸氏の欠勤期間における6日間の出勤日に関連し、3日間の忌引休暇を差し引いて、陸氏は実際に2日間だけ無断欠勤、会社の規則制度に規定されている労働契約を解除できる条件に達していない。従って、会社は陸氏に労働契約の違法解約賠償金75,269.04元を払うよう仲裁裁決を容認、判決した。

 

四、二審判決

 会社は不服し、控訴した。

 二審裁判所は、2020年1月6日から13日にかけて、陸氏は1月6日の朝に休暇申請手続きを提出し、その上級主管は署名して同意したが、午後になってからグループ会社の決裁を申請したので、陸氏が1月6日に欠勤したことは会社が適時に審査許可権を行使していないため、無断欠勤と認定してはならないとした一審の判断は不当ではない。 

 2020年1月14日に陸氏の未出勤に関しては、この日は休暇期間ではなく、会社はこの日を欠勤と認定することができるが、会社の規則制度に規定された労働契約を解除できる条件を満たさないため、違法解約に当たる。陸氏が労働関係を解除する前の12ヶ月の平均賃金と勤務年限については、一審裁判所が正しいと認定し、会社の上訴を棄却し、陸氏に違法解除賠償金75,269.04元を支払うとする原審を維持する。

 

五、コメント

1、労働契約の履行において、使用者は労働者を管理し、その規則制度の違反行為を懲戒する権利を有する。但し、労働契約解除は最も厳しい「懲戒措置」であり、使用者は特に慎重に使用しなければならない。

2、労働契約の履行期間において、使用者及び労働者は、確実、十分かつ適切に契約を履行する義務を負う。使用者も管理権を善意、寛容及び合理的に行使すべきである。

3、陸氏の故郷である安徽省を含む中国の広大な農村では、葬儀の習慣が残っており、使用者は民俗を尊重し、従業員の具体的な困難と不幸を思いやることは望ましい。

 

重要法規解説

売買契約紛争事件の審理における法律適用問題に関する最高裁の解釈

 

 2020年12月23日、最高裁は売買契約紛争事件を正確に審理するために、「中華人民共和国民法典」などの法律の規定に基づき、裁判の実践を結び付けて、「売買契約紛争事件の審理における法律適用問題に関する解釈」(以下、本解釈)を制定、施行する。

 本解釈は46条によって構成され、その一部内容は以下の通りです。

 

一、売買契約の成立

 当事者間に書面契約がなく、当事者の一方は納品書、受領書、決算書、領収書などで売買契約関係があると主張する場合、裁判所は当事者間の取引方式、取引習慣及びその他の関連証拠を結び付けて、売買契約の成否を認定しなければならない。

 帳簿確認書、債権確認書などの書簡、証憑に債権者の名称が記載されておらず、売買契約当事者の一方がこれをもって売買契約関係の存在を証明する場合、裁判所は支持すべきであるが、覆すに足りる反対の証拠があるものを除外される。


二、対象物の交付と所有権の移転

 対象物は有形の担体で交付する必要のない電子情報製品であり、当事者は交付方式を明確的に約束しておらず、かつ民法典第五百十条の規定によっても確定できない場合、買取人が約束された電子情報製品または権利証憑を受け取った場合には、すなわち交付されたものとする。

 販売人は増値税専用領収書及び税金控除資料のみで目的物を交付する義務を履行したことを証明し、買取人に認められない場合、販売人はその他の証拠を提供し目的物を交付した事実を証明しなければならない。

 

三、目的物のリスク負担

 当事者はリスク負担について約定しておらず、目的物は種類物であり、販売人は積込証書、マークを付け、買取人に知らせるなど識別可能な方式で目的物を明確に売買契約に記載しなく、買取人は目的物の毀損、滅失の危険を負担しないと主張した場合、裁判所は支持するべきである。

 

四、目的物の検査

 民法典第六百二十一条に規定された検査期限、合理期限、二年期限が経過した後、目的物の数量又は品質が約束に合致しないと主張された場合、裁判所は支持しない。

 販売人が自ら違約責任を引き受けた後、また、上記の期限経過を理由に後悔した場合、裁判所は支持しない。

 

五、違約責任

 買取人が検査期限、品質保証期間、合理期限内に品質異議を提出し、販売人が要求通りに修理しないか、または緊急の場合、買取人が自らまたは第三者を利用して目的物を修理した後、販売人がそれによって発生した合理的な費用を負担すると主張する場合には、裁判所は支持しなければならない。
 売買契約に期限経過後の違約金または当該違約金の計算方法が約束されておらず、販売人は買取人の違約を理由に支払遅延損失を賠償すると主張し、違約行為は2019年8月19日までに発生した場合には、裁判所は、中国人民銀行の同期の人民元ローン基準金利をもとに、期限経過の罰金金利基準を参照して計算し、違約行為が2019年8月20日以降に発生した場合には、裁判所は、違約行為の発生時、中国人民銀行に授権された全国銀行間の同業者借入センターが公表する一年ローン市場の見積り金利(LPR)基準をもとに、30-50%を加算して延滞支払損失を計算することができる。

 

六、その他

 販売人は交付義務を履行した後、買取人に対して代金を支払うよう反訴し、買取人は販売者が先に違約したことを理由に異議を申し立てる場合、裁判所は下記の状況に従ってそれぞれ処理しなければならない。

(一)買取人は、違約金の支払いを拒否し、損害賠償を拒み、又は販売人が代金減などの救済措置を取るべきと主張した場合、抗弁を提出するものとする。

(二)買取人は、販売人が違約金、賠償損失を支払うべきと主張し、または契約解除を要求した場合、反訴を提起しなければならない。

 本解釈の施行前に当所が公布した販売契約、販売契約等の目的物所有権有償移転に関する契約の規定は、本解釈に抵触する場合、本解釈の施行日より適用されない。

 本解釈の施行前にすでに終審し、当事者が再審を申請し、又は審判監督手続に従って再審を決定する場合は、本解釈は適用されない。

 

主要法令

法  律  名  称

施行日

1

最高裁の「売買契約紛争事件の審理における法律適用問題

に関する解釈」『重要法規解説』をご参照下さい)

2020/12/23

 

2

生態環境部の「一部生態環境規章と規範性文件の廃止、改定に関する決定」

2021/01/04

3

生態環境部の「一部固体廃物輸入関連規章と規範性文件の

廃止、改定に関する決定」

2021/01/04

4

国務院の「汚染排出許可管理条例」

2021/01/24

5

国家市場監督管理総局の「化粧品登録届け出管理弁法」

2021/05/01

6

全人代常務委員会の「中華人民共和国行政処罰法」

2021/07/15