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2013塩城経済技術開発区視察見学会に参加しました

 2013年5月30日~ 31日に塩城経済技術開発区管理委員会主催による日系企業向けの塩城経済技術開発区視察見学会が開催されました。本見学会には福永日本国駐上海総領事館領事をはじめ15名が参加し、塩城経済技術開発区からは、王管理委員会主任、瞿管理委員会副主任をはじめ開発区の担当者など約10名が出席し、塩城経済技術開発区の魅力、投資環境についての説明会が行われました。また、韓国系企業、日系企業、麋鹿(鹿の一種)国家自然保護区などを視察したほか親睦会が開催され交流を深めました。

 今回は、塩城経済技術開発区についてご紹介します。

1.塩城市

   塩城市は江蘇省沿岸部に位置し、総面積約1.7万㎢、人口約822万人で、江蘇省内で面積が第1位、人口は第2位の省管轄の都市です。2012年の市のGDPは3,120億元で、工業は軽紡績、電子、機械、化学工業、食品、建材などが盛んです。生態環境が良好で、国家級のタンチョウヅルと麋鹿の自然保護区があります。茨城県の鹿嶋市と友好都市関係にあります。

2.塩城経済技術開発区

 塩城経済技術開発区は塩城市内の東南部に位置し、面積が約200㎢、約20万人が暮らしています。中国東部沿岸の自動車産業の町として、江蘇省の自動車と部品の産業基地になっています。また江蘇省の新エネルギー自動車産業基地でもあり、中国東部の自動車生産の拠点を目指して建設を進めています。現在、自動車産業を中心に各分野の企業が約1,100社あり、そのうち外国投資企業が約300社あります。国家一級の南洋国際空港まで車で15分の距離にあり、近い将来に日本への直行便が開通される予定です。また、近隣には大豊国際港があり、日本へは門司港、長崎港、博多港への定期便があります。そのほか高速道路、快速鉄路と交通網が整備されており、2014年には新幹線が開通し、上海まで約1時間となる予定です。2010年12月には正式に国家級の経済技術開発区に昇進しました。

3.韓国系企業視察

   韓国自動車メーカーで2001年11月進出。主な商品開発は韓国で行っているが、中国市場に合う商品開発は塩城で進めている。進出後、現地従業員の確保、インフラ整備を進め、その後急激に生産販売台数を増加させた。韓国から主なサプライヤーを引き連れて塩城開発区に進出してきた模様。日系企業に取引のチャンスがあるかとの質問に対し、進出企業に競争力があれば可能ではないかとの話がありました。塩城開発区を選択した理由については、積極的な誘致、有利な誘致条件を挙げていました。工場の視察では、自動車生産のプレス、溶接過程から始まり、完成までの生産ラインを見学しました。各工程において機械化が進んでおり、プレス、溶接過程にはほとんど工員はおらず、車体ボディーにバンパー、扉等の部品を接続する工程になってやっと工員がでてくるという印象でした。

4.日系企業視察

 2003年11月進出。合弁先の関係で塩城に進出した経緯あり。主要製品はエアーホースリール(自動車整備工場の天井からぶら下がっている器具)で、生産は順調に伸びている。流れ作業による生産ではなく、1人で1つの製品を完成させるセルフ方式を採用。工員各人が1人ですべての工程を作業することでマンネリ化を防ぎ、工員は達成感を味わえるのではとの話がありました。離職率は低いとのことです。工業団地の印象については、「不満はない。他の開発区の状況は知らないが満足している」との話がありました。

5.韓国工業団地、日本工業団地視察

 一般的な2,000㎡のレンタル工場を視察。韓国工業団地は、進出企業がサプライヤーを引き連れて進出してきており、空きがない状況。日本工業団地は、4,5社しか進出しておらず、現在は、開発区としても、日系企業の誘致に力を入れている。

6.麋鹿国家自然保護区

 保護区内を小型自動車で視察。絶滅危惧種である麋鹿の保護区であり、麋鹿(中国原産の鹿の一種、野生のものは現在みられない)が約2,000頭生息している。