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茨城県内企業の中国での取組み【日本横関油脂工業股份有限公司上海代表処】

 茨城県内中小企業の中国での事業展開についての取組みの1例を紹介します。

 茨城県北茨城市に本社を有する横関油脂工業株式会社が、上海市内に駐在員事務所を設立したという情報を聞き、上海駐在員事務所の佐藤首席代表を訪問し、お話を伺ってまいりました。(インタビュー日:2015年8月4日)

■会社概要

1.本社概要 

会 社 名    横関油脂工業株式会社

住  所    茨城県北茨城市中郷町日棚字宝壺644-49

設  立  1948年

資 本 金  2,880万円

従業員数  82名

事業内容  食用、化粧用、工業用油脂および天然ワックスとその関連製品、油脂化学品の製造販売

代 表 者    代表取締役 横関長太郎

2.上海事務所概要

名  称  日本横関油脂工業股份有限公司上海代表処 

住  所  上海市徐匯区肇嘉浜路789号均瑶国際広場6F 632室

設  立  2015年1月

従業員数  1名

首席代表  佐藤英光

■まず、御社が上海に海外展開しようとした経緯と佐藤首席代表の上海への赴任経緯についてお聞かせください。

 上海に駐在員事務所を設立した目的は、中国への販路開拓のためです。とは申しましても、駐在員事務所で営業活動はできないので、中国市場の情報収集などを行っております。

 また、弊社の商品群の中で、国際競争力のある化粧品関連の製品について、代理店を通じて現地の化粧品メーカーに販売していこうと企画しております。

 昨今の中国では、所得増により一般女性の購買力が向上し、美容意識も高まっています。そのため、化粧品市場が拡大しており、また品質への要求も高まっています。そのようなニーズに応えていくため、精力的に販売を展開している現地代理店をサポートしております。

 小職は、弊社内の中国プロジェクト発足から、国内での語学研修、台湾企業への出向を経て本年1月に上海に赴任しました。

■上海では、具体的にどういった仕事をされていますか?

 弊社は、中国と台湾系商社と代理店契約を結んでおりますので、その代理店への技術的なフォロー、市場調査などが日常の業務です。展示会にも出展し、来場者へのフォローも行っております。

 また、弊社の製品の中には、中国から輸入している原料があるため、現地工場の視察や新規原料の調査なども行っております。

■赴任されてすでに半年以上が経過していますが、これまでの感想、今後の課題などはありますか?

 弊社で扱う製品は、品質や効能は評価して頂けるものの、アプローチ先が自社商品への応用や利用の方法が分からず、結果的に成約に至らないケースがあります。

 そこで、アプローチ先にあわせた弊社製品の使用方法(処方等)を考案し紹介するようにしていますが、紹介後に弊社製品を使用せず、その処方を模した製品を作られてしまうということがあります。そのため、代理店を通じて、アプローチ先の選定や商談後の細かいフォローアップをしていくことを心掛けています。

 また、弊社は国内では化粧品よりも食用を中心に販売していますが、2011年の東日本大震災以降、放射能の影響により中国向けには輸出が出来なくなりました。食用においても、安心安全で特徴のある油脂を多くラインナップしており、輸出が解禁になった際には食品関連の仕事も進めていこうと考えています。

■最後に、御社のPRをお願いします。

 弊社は昭和23年の創業以来、動植物油脂関連製品を製造してまいりました。

 「“小”だからこそ出来ること」を大切にしながら、お客様のご要望やご発想を商品化していく所存です。

 弊社が保有する4つのプラントが、いわば「お客様の専用工場」として機能しており、多くのお客様や研究者様から高く評価して頂いております。特にミニプラントは、最低ロット2ドラム分(360kg)から承ります。

 “あそこに声をかければ何とかなるかもしれない”と言われる会社を目標に、優れた品質と安心・安全を提供することにより、皆様の要望を実現致します。


 本日は、お忙しい所、訪問させていただきましてありがとうございました。茨城県上海事務所では、茨城県内企業の中国ビジネスの支援も行っております。ご相談等がございましたら、お気軽にご連絡ください。また、弊所では「上海茨城県人会」の事務局も担当しておりますので、そちらにつきましても是非ご参加をお願いします。今後とも引き続き宜しくお願いします。

(注)本稿は、筑波総研株式会社「筑波経済月報(2015年10月号)」への寄稿文の一部抜粋です。