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国家税務総局の個人所得税課税に関する回答

 2012年4月11日、国家税務総局所得税司巡視員廬云が国家税務総局のウェブサイトにてネット読者から寄せられた個人所得税課税に関する質問を回答しました。その回答を以下の通りまとめました。

 

質問1:会社が出張者に支給した交通費と食事代について個人所得税は課されるか?また毎月通信手当についても同じか?

・規定により、会社は現金方式で出張者に支給した交通費、食事代を当月給与と合算し、個人所得税を計算し代納するが、会社は国家の関連基準により、出張者の実際に発生した交通費、食事領収書を会社費用として精算する場合、個人所得税は課されなくてよい。

・通信費手当について、所在地省市政府が通信費免税基準を決めた場合は非課税にできるが、免税規定がなければ、会社がその手当を支給する場合、個人所得税を課す。

・規定により、個人に支給する福利については現金または実物かを問わず、一律に個人所得税を徴収する。但し、現在、集団が享受し、分割できず、非現金方式による福利に対しては、原則的に個人所得税は課税されない。

・個人が市街区域または郊外で仕事し、勤務先での食事に戻れないために外食を必要とする場合、実際の食事回数により合理的な基準で支給された食費に対しては個人所得税を課さない。但し、個別の会社が食事補助名義で従業員に支給した補助、手当に対しては個人所得税が課税される。

 

質問2.補充医療保険、一人っ子費または一回きりの3万元着任手当に個人所得税を課税するか?

・現行個人所得税法及び関連政策規定により、会社が従業員の為に納付した補充医療保険を当月給与と合算し、個人所得税を課税しなければならない。

・一人っ子費に対して、一人っ子手当は補助、手当に属せず課税しないが、いわゆる「一人っ子補助」とは各地で決めた金額基準内の補助をいう。

・個人所得税法第4条の規定により、会社が一回きりの着任手当3万元を従業員に支給した場合、個人所得税を免除することができるが、さもなければ「給与、給与所得」の項目で会社が個人所得税を代納しなければならない。

 

質問3.労働契約解除によって得られた補償金の超過部分について課税するか?

・現行個人所得税政策により、個人は会社と労働関係を解除して得た一時補償金収入について、その収入が地元の前年度従業員の平均給与3倍金額を下回る範囲においては個人所得税を免除するが、上回った部分に対して規定により、個人所得税が課税される。

・上述で言う会社で、従業員との労働契約の期限満了後、契約を更新しない理由で従業員に与えた経済補償金については、双方の労働関係はすでに終了しているため、会社が支払った経済補償金は関連規定に合致せず、実際に補償金として見なされず、規定により個人所得税を課税しなければならない。

 

質問4.企業が贈呈した贈物について課税すべきか?

・会社が販売促進、展示において、贈呈した贈り物に対して課税されない状況は以下に限る。

①  会社が割引、値引き方式で個人に商品(産品)を販売し、サービスを提供する。

②  会社が個人に商品(産品)を販売し、サービスを提供すると同時に贈物を贈呈する。例えば、個人が携帯電話を購入する際、通話料、ネット接続費を贈呈する。または個人が通話費を購入する際、携帯電話を個人に贈呈する。

③  会社は累積消費が一定の額に達した個人に対して、消費累積のポイントをプレゼントとしてバックする。

 

質問5.個人は二箇所以上から収入を得た場合、何処で納税申告すべきか?

・規定により、二箇所または二箇所以上から給与を取得した場合、納税者は自ら選択し、且つそのうちの一箇所に在職している会社の所在地の主管税務機関に固定して納税申告を行うことができる。

・現行個人所得税制は、分類所得税制を採用しており、11個徴税科目を分けて、異なる減除費用と税率を適用し、それぞれ個人所得税を計算し課税している。分類所得税制の下で、各類の所得に対して単独徴税するために、異なる所得項目の間で相互相殺できない。従って、同一所得項目下で異なる所得に対しては、相互相殺をしてはならない。

 

新主要法令

法  律  名  称

施行日

1

国家税務総局の個人所得税課税に関する回答(『重要法規解説』をご参照下さい)

2012/04/11

2

国家税務総局の小型微利企業企業所得税前納付関連問題に関する公告

2012/01/01

3

商務部の外商投資商業分野管理弁法補充規程(五)

2012/04/10

4

衛生部の中外合資、合作医療機構管理弁法(改訂徴集意見稿)公開徴集意見に関する通知

2012/04/13

5

国務院の更なる小型微利企業健康発展の支持に関する意見

2012/04/19

6

国務院の輸入強化対外貿易平衡発展の促進に関する指導意見

2012/04/30

7

商務部の機電産品国際入札機構資格管理弁法

2012/06/01

 

 

 

※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事です