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製品に瑕疵があった場合、代金を支払わなくてもよいか?

一.事実経緯

 2011年9月5日、A設備製造会社(以下、原告という)はB機械部品製造会社(以下、被告という)に総額50万元のショットブラスト機4台を引き渡し、同日、原告の従業員が納品した4台の機械の据付調整を行った。検収完了後、被告は当該ショットブラスト機4台を生産に使用し、かつ2011年10月5日に原告に銀行振替で5万元を支払った。しかし、被告は2012年12月を過ぎても、残金45万元を支払わず、原告の催促にも応じなかったため、原告は裁判所への提訴に至った。

二.裁判判決

 開廷後、被告は、原告より引き渡されたショットブラスト機の品質が被告の要求を満たしておらず、品質面において重大な問題が生じ、経済利益を実現することができなくなったため、残金45万元を支払わないと主張し、原告の訴訟請求を却下するよう訴えた。

 また、被告は、原告より引き渡されたショットブラスト機に重大な品質問題が存在していることを証明するために、証人の証言及び写真8枚を提供した。

 裁判所は、以下の事実認定により、目的物(ショットブラスト機)の数量、品質が契約に合致するとみなされると判断した。

①被告の提供した写真8枚が目的物であるショットブラスト機の変形及び漆の剥離の外観瑕疵に属し、専用工具を使わなくても発見できる瑕疵であり、かつ写真の撮影日付が2011年9月25日及び9月30日であるため、被告がショットブラスト機を受け取った当月中に既に目的物の瑕疵を発見していたにもかかわらず、2011年10月5日に銀行振り込みで5万元を代金として支払っている。

②被告は、原告が裁判所に提訴した2012年12月までに、書面或いはその他の方法により原告に対し目的物の品質瑕疵を通告していたことを証明できず、双方が目的物の検収期間を約束しなかった場合、本案は外観瑕疵に関する合理的な異議期限を過ぎている。

③本案の被告は原告に対し目的物の品質瑕疵に関する通告をしないまま、4台ショットブラスト機を生産に使っている。

 最終的に裁判所の調停のもと、原告は被告に代金45万元を支払うことで和解が成立した。

三.コメント

1.裁判所は本案の処理にあたって、以下の法律を適用した。

 「中華人民共和国契約法」第158条は、「当事者が検収期間を約束した場合、買主が検収期間中目的物の数量又は品質が約定に合致しない旨を売主に通知しなければならない。買主が当該通知を怠った場合、目的物の数量又は品質が約定に合致するとみなす。当事者が検収期間を約定しない場合、買主は目的物の数量或いは品質が約定に合致しないことを発見した、又は発見し得る、合理的な期間中売主に通知しなければならない。」としている。

 また、「最高人民法院による売買契約紛争案件審理の法律適用問題に関する解釈」第15条は、「当事者が目的物の検収期間を約定しなかったが、買主が署名した発送状、確認書などに目的物の数量、型番、規格を記載していた場合、人民法院は契約法第157条に基づき買主が数量及び外観瑕疵について既に検収したと認定すべきものとするが、覆すに足りる反対の証拠がある場合には除外される」と定めている。

2.本案の被告が提供した写真8枚はショットブラスト機の変形及び漆の剥離現象が目的物の外観瑕疵に属し、専用工具を必要としないことを明らかにし、かつ写真の撮影日付が2011年9月25日及び9月30日であるため、被告はショットブラスト機を受け取った当月に既に目的物の瑕疵を発見していたにもかかわらず、銀行振替で原告に代金5万元を支払ったこと、ショットブラスト機の受領から原告が裁判所に提訴した1年間以内に、書面或いはその他の方法により原告に対し目的物の品質瑕疵を主張したことを証明できなかったため、被告の使用によって目的物が破損した可能性を排除できないこと、たとえ、目的物に一部品質瑕疵が存在していたとしても、被告が法廷に立って初めて同意見を主張しており、外観瑕疵の合理的な異議期限を過ぎていること、目的物を実際に使用していたこと、以上を鑑み、裁判所は被告の抗弁を支持しなかった。

3.売買双方は誠実信用の原則を終始一貫して遵守すべきである。代金支払いを悪意に遅延したり、法律に附与された権利を乱用したりすることは、企業のイメージをダウンさせるだけであり、当然、対価は支払わざるをえない。

 

※本稿は、当事務所でアドバイザー契約をしている董弁護士の事務所で発行されている記事を一部加筆修正したものです。