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税関が「龍騰キャンペーン2019」を展開

 税関総署は今年7月から年末まで、知的財産権保護のために全国の税関で「龍騰キャンペーン2019」を展開することを公表した。

 

 税関は、海運、陸路、鉄道、速達、郵便などの6種類の運送ルート、及び一般貿易、市販、辺境民市場販売、越境ECなどの貿易形態下の違法貨物の流れの異なる特徴によって、各地の税関区域の位置、業務特徴、航路の分布などの要素を結びつけ、監視を逃れるような違法活動を効果的に阻止し、同時に、北米、欧州、日本などの国と地域に輸出された権利侵害貨物に対して全方位に効果的な監視を強化し、電子製品、自動車部品、個人ヘルスケア用品、アパレル、バッグ、靴など大衆の健康安全を脅かす商品に焦点を当て、南米、アフリカ、「一帯一路」沿線国と地域向けの貨物の監督管理に力を入れ、香港、マカオなど地域経由権利侵害貨物を積み返る違法行為を重点的に摘発する。

 今回キャンペーン期間中、税関は多国籍企業の有名なブランド、多くの知的財産権を保有する地元輸出企業に対してそれぞれ重点的に保護を与え、企業の対中投資の自信を強め、国内企業のイノベーションと権利擁護の能力を高める。同時に、中国の産業分布区域のクラスター化の特徴を結合し、業界への侵害違法行為に対する取り締まりを強化するために、知的財産権関連企業連絡員制度を確立し、税関と企業との協力覚書を締結し、企業に対して海外での知財権利に保護を与え、権利者が税関に権利侵害と偽造品などの情報を提供するよう奨励する。

 税関は、地方関連部門との執法、業界協会、輸出入商会、権利者権利保護連盟などの組織との協力を強め、ビックデータ+リスク管理を利用し、権利侵害物の査察、偽物販売のアカウントの閉鎖、偽物拠点の破壊を実現する。同時に、知財侵害事件処理を速めるために、証拠の開示、自己放棄、公告徴収など方法を活用し、効率を引上げる。また、輸出貨物特許紛争に担保を取入れる通関方式を新設し、第三者機構が受取人・出荷人のための求償担保サービスの提供を許可する。

 

 青島、海口、威海、深圳、広州、杭州など税関部門はキャンペーンを取り込んで、7月2日、トヨタ自動車公司は杭州税関に900個の「TOYOTA」ブランドの偽ディーゼルフィルタの取締りを行うよう申し入れた。これは「龍騰キャンペーン2019」を実施されて以来、杭州税関で受理された初の権利侵害事件である。

 

重要法規解説

 

「日・中社会保障協定について」

 

 2018年5月9日、中日両国の外務大臣は東京で「社会保障に関する中華人民共和国政府と日本国政府との間の協定」(以下、協定という)を正式に署名した。2019年5月16日、協定の発効のための外交上の公文の交換が北京で行われた。これにより、総則、適用法令に関する規定、雑則、経過規定及び最終規定の4部分、計20条で構成されている協定は今年9月1日に正式に発効する。

 

一、背景

 中日政府間の社会保障協定の交渉は2011年に正式にスタートし、2018年1月に双方は実務レベル交渉が終了したことを共同で発表した。それまでに中国は独、韓、丁、芬、加、瑞、蘭、仏、西、ルと二国間社会保障協定を締結した。中日双方は相互の重要な経済貿易パートナーとして、長年にわたる相互投資とビジネスの人員の往来は増加しているが、日中両国の企業等からそれぞれ相手国に一時的に派遣される被用者(企業駐在員等)等には,日中両国で年金制度への加入が義務づけられたため、年金保険料の二重払いの問題が生じており、協定の実施によって、長年にわたる懸案事項の解消に繋がる。

 

二、内容

 協定に基づき、派遣期間が5年以内の一時派遣被用者(企業駐在員、船員、空乗員、外交領事館機構人員及び公務員)は,原則として,派遣元国の年金制度にのみ加入することとなる。

内容 中国 日本

適用

対象者

中国に派遣され、且つ既に日本に年金制度に加入している被用者(企業駐在員等) 日本に派遣され、且つ既に中国に社会保険に加入している被用者(企業駐在員等)
免除保険種類 被用者基本老齢保険 国民年金、厚生年金
免除期間

最初に協定を適用し、他方の締約国の法令に基づく年金制度への加入を免除される期間は5年として、協定が発効するまでにすでに派遣された被用者は、5年間の期間に関して、協定の発効した日より起算される。派遣期間5年を超えた場合には、両締約国の権限のある当局又は実施機関は、当該派遣に係る被用者に対し、一方の締約国の法令のみを引続き適用することについて合意することができる。

 

主要法令

法  律  名  称

施行日

1

「社会保障に関する中華人民共和国政府と日本国政府との間の協定」(『重要法規解説』をご参照下さい)

2019/09/01

2

財政部、国家税務総局の「個人関連収入所得に対する個人所得税納税所得項目の適用に関する公告」

2019/01/01

3

最高裁の「生態環境損害賠償事件審理に関する若干規定(試行)」

2019/06/05

4

国家発展と改革委員会、商務部の「外商投資産業奨励目録(2019年版)

2019/07/30

5

国家発展と改革委員会、商務部の「自由貿易試験区外商投資参入許可特別管理措置(ネガティブリスト)(2019年版)

2019/07/30

6

国家発展と改革委員会、商務部の「外商投資参入許可特別管理措置(ネガティブリスト)(2019年版)

2019/07/30

7

国家税務総局の「納税サービス苦情管理弁法」の改定に関する公告

2019/07/30